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[イベントレポート] 本がある空間の可能性

【本がある空間の可能性は無限大】

(text : 迎あかり)

あなたには、ずっと本棚に置いておきたいと思う本はありますか?
どうしてその本に心惹かれるのでしょうか?

1月14日、そんな人々の大切な想いが詰まった本と出会える場所、佐賀県・古湯温泉にある「泊まれる図書館 暁(あかつき)」を訪れてきました。

人を介して本と出逢い、本を介して人と出逢うことを通して、おもてなしして下さるのは店主の白石隆義さん。

もう一人、この日だけのスペシャルゲスト。
その時、その場でしか味わえない劇のような、偶然の出逢いを届ける本屋、ツルハシブックス〜自分発掘本屋の劇団員(店主)、西田卓司さん。

この2人が語る、本、そして、本がある空間のお話。

例えば、白石さんの泊まれる図書館では、小説、漫画、専門書、写真集など、本の形態やジャンルに捕らわれず、本を並べている。
どの棚も、本を寄付した支援者ごとに分けられ、すべての本に、なぜその本を共有したいと思ったのかというメッセージが付いている。

また、西田さんのある本屋では、大人から贈られた10代のうちに読んでほしい本が並んでいる。
おのおの本には、子どもの背中を押してあげたいと想う大人からの言葉が添えられている。
そして、そこに入れるのは、これから大人になる19歳以下の若者だけ。
お店の中は洞窟のように真っ暗で、懐中電灯を片手に本を探すことができる。

他にも、日本各地の本にまつわる取り組み、自分が影響を受けた本やお勧めの本などの話題が、途切れることなく続々登場。

「今までは、買いたい本があって、その目的のためだけに本屋さんに行っていた。」

参加者からは思わずそんな声が挙がるほど、文字や絵、写真などが綴られた紙をめくるモノとして存在する本ではなく、その先にある、本の味わい、本がある空間の面白さを垣間見たひと時でした。